「ショッカー」

短気な性分である。

普段のボクをご覧になっている方にとっては意外かも知れない。多分。

別にそうでもない? よしとくれよ。

ステージでのトークも割とスローテンポだし、ちょっと低めの声のトーンや歌い方からして穏やかな雰囲気を感じる方もあるだろう。多分。

ふんっ、自分のことを穏やかだなんて恥ずかしい。ボクの知る限りでは、この短気な性格は祖母から代々受け継がれているようだ。

しかし勘違いしていただきたくないのだが、常にイライラしてぷんぷん怒っているというわけではない。基本的には、皆さんのご想像通り(笑)大らかでしわしわ笑顔の好々爺である。てへ。

 

周囲でもよく話題に上がるが、ボクは立ち寄ったコンビニの店員が研修中の名札をぶら下げていて客からマシンガンのように連続射撃される注文に手こずって時間がかかっても、居酒屋で温かいお茶を注文したのに冷たいウーロンハイが来ても、特に声を荒げて怒ることはない。

そういうことって、なんだか怒る気になれない。まァ仕方ないよ、気持ち分かるよ、で片付けられる。

ただ例外として、これが身内や親しい間柄になると話は別だ。ボクも港町の出身、元来口は悪い。

 

でも人に対しての怒りや苛立ちって、言葉や表情でやり取りしていくうちに氷が解けてなくなるみたいにいつの間にか消えるじゃないですか。価値観も考えも違うわけで、ズレが生じるのが当たり前。同じ景色を見ていても頭の中はまるで別世界。こっちが景色に感激していても、かたや今日の晩飯のことで頭がいっぱいだったりする。だからこそ世の中うまくできているし、共生できるのだと思う。

皆が皆、同じ考え価値観ならば気持ち悪いうえに、それじゃ個性もへったくれもない、キーキー言うだけのただのショッカー戦闘員だ。いつか滅ぼし合いになる。

 

ボクがいつも腹を立てるのは、機械だ。

技術のすさまじい発達と発展に大きな恩恵を受けているし、当然感謝はしている。今やこれが無ければ生活するのも仕事するのも大変だ。

 

ところが、なのだ。無くてはならない存在にも関わらず、パソコンもスマホも冷蔵庫も全自動トイレも何もかも、おすまし顔でボケッとそこに突っ立っているような感じがして、そんな態度が気に食わない。もっと自分らの存在を自覚したらどうかと思う。

髪はボサボサ、究極の猫背でノソノソ歩き、丈の長いズボンの裾を引きずり、眠そうな眼をして今にも閉じてしまいそうだ。そんな印象がある。

 

パソコンがワケのわからないフリーズやおかしなタイミングでの読み込みが長い時がある。きっと居眠りだ。仕事中に寝んな! と思う。ちゃぶ台返しならぬパソコン返しを何度やりかけたことか。もっともゲンコツと猫パンチは数え切れないほどお見舞いしている。もっとシャキッとしてくれ。

ゲームをやらない理由も然り。どんなゲームをやっても開始15分ほどで、ああ! もういい! と不機嫌になるので、やらない。賢明である。

 

コンビニやレストランによくある自動センサーの水道も大きらい。シャッ、シャッと瞬間的にしか水が出てこないことが多い。どうやって手を洗えというのか。

しかしこれについて最近分かったことだが、必ずしも自動センサー蛇口が瞬間的にしか出ないかというとそうでもない。もういいよ、そんなにいらいよ、ってこっちが申し訳なるくらいに頑張り屋さんの蛇口もいる。

きっとこれは店側が仕組んでいるに違いない。水が出る時間を1秒くらいに設定しているのだ。せこい。

機械が不真面目に仕事してるかのごとく見せかけて、本当の黒幕はお前らだったのか、ショッカー。

 

待てよ。ということは・・・。あのパソコンもゲームも、バッテリーがまだ50%残ってるのに突然電源がオフになるスマホも、40℃に設定しても一向に熱くならないシャワーも、押してもいない階に止まるエレベーターも、乗ったにも関わらず動き出さない人感センサー付きエスカレーターも、前に立ったら自動でフタが開くはずの便器も、みんなみんな、ショッカーの仕業だったのか。

知ってしまった以上、もうこうしてはいられない。ショッカーの魔の手から機械たちを救い出さなければ。