【記事】朝日新聞6月1日付 掲載記事

 

5月31日付の朝日新聞の記事を原文のまま掲載いたします。

 

 

『「昭和」歌う 高3 ブレーク』  宮崎の谷村新司 17歳

 

同年代が熱中する流行のJ-POPのは目もくれず、歌うは昭和歌謡ばかり。そんな高校生が宮崎県日南市にいる。県立日南振徳高3年の長谷川万大さん(17)。「宮崎の谷村新司」の異名を持ち、地域イベントなど年間約70ステージをこなす。「平成の世に欠けた何か」を追い求めたいという。

 

ゴールデンウィーク。地元のイベントで、長谷川さんがギターを手に加山雄三さんの「夜空の星」を歌い始めると、年配者が振り返った。新婚旅行ブームに沸いた宮崎を歌った「フェニックス・ハネムーン」で心をつかみ、最後は「さらば昴よー」と歌いあげると、拍手が巻き起こった。

小学生の時、DVDでテレビドラマ「西遊記」を見てゴダイゴの主題歌が気に入った。作詞家の阿久悠さん、映画スターのジャッキー・チェンさんと興味が広がり、ウルトラマン、山口百恵さんと、気づくと「昭和」に囲まれていた。

中2の夏にフォークグループ「アリス」再結成ツアーを生で聞き「衝撃を受けた」。「谷村になる」とすぐにギターを購入。4か月後には親族の結婚式の舞台で、その翌月には市内の催しで歌を披露した。

谷村さんのコンサートを追いかけ、会場外でアリスの曲を歌っていると、楽屋入りする本人から「がんばってるか」と声をかけられ、ツアースタッフに「谷村よりうまい」と言ってもらったうれしい思い出もある。

大きな転機は昨年夏。地元銀行のイメージソングコンテストでグランプリを獲得。歌う姿がCMで流れ、地元で知名度が急上昇。地域の催しや老人ホームの慰問など、週末は常にどこかに呼ばれるようになった。

今年は夢の一つだったラジオ番組づくりに挑戦。イメージするのは、土居まさるさんや落合恵子さん、谷村さんもパーソナリティをつとめた文化放送の深夜ラジオ番組「セイ!ヤング」(1969~1981)。同級生の協力で4月にインターネットで初配信、現在はリニューアルの準備中だ。

昭和の何が琴線に触れるのか。「囲まれていると心地よいけど、理由はまだはっきりわからない」。夢はプロになり谷村さんと同じステージに立つこと。「昭和を歌い続ければ見えてくると思う。平成が無くした何かを歌で発信し続けたい」

 

 

これは九州を中心に発行された5月31日付の夕刊の内容で、6月1日の朝刊の内容とは若干違い、こちらが1日付のより少し長めの完全版である。